ターヘル・アナトミア

ターヘル・アナトミア

P1000741.JPG見つけた瞬間、軽いベーゼをオイラの左手を通しての投げキッスとして送っちゃったよ!
 「これかーーー!」って感じだった。  
 医学を職とするオイラにとって杉田玄白・前野良沢の「解体新書」(ターヘル・アナトミア)は聖書の原本だ。  

それに今回出逢えることが出来たんだ。
国立科学博物館で 「医は仁術」展を開催しているのね、 そこにーー「解体新書」も展示されているんだよ。   もちろん他にも沢山の江戸時代からの医学資料があってなかなか興味が弾けるんだ。 
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それでもオイラにとっては、「ターヘル・アナトミア」以外は週刊文集・週刊新潮程度の価値しかないや。
 どれもこれも似ていてさ、探すのにひと苦労ふた苦労フクロウ・・(ン、おやじギャグかー)
それにしても、予想以上に現代解剖学のレベルに近い・・!  
これじゃあ西洋の学問に憧れるわけだわな・・・!

外では大道芸人が一生懸命に芸をしているわけで、この人体解剖館P1000707.jpgみたいなところとの「生と死」の対比がなんとも妙な気分にさせられたよ。

医学に限らず、どんな学問も先人達の驚くべき知性の努力の積み重ねの上に成り立っているんだって実感したよ。 
「仁(じん)とは他を想う心」
という、企画展の副題は、とってもいい。心があらわれる。江戸時代の医者は良いことを言ったもんだ。  
江戸の医から未来を眺める展覧会という趣旨は成功している。

意外と面白かったのが鉄拳のパラパラ漫画シアターとかいう8分くらいの映画ね。 「受け継がれる仁」という題名で、この企画に合わせて作られたもの。
 鉄拳さんの視点がユニークで温かい8分間を過ごせたよ。 tekkenn-300x200.jpg 
P1000813.JPG大きなCTスキャンまで展示されていたけれど、あれはイラナイとおもうけどなー。 まあ現代医学との比較を見せたいんだろうけど、一気に現実に戻されて、オイラはチョイとヒネチャッタよ。

それでも外に出るといきなり白い花がオイラを迎えてくれたので、オイラの機嫌も治ったけれどね(^^)/
 そういえば展示の入り口のところに機関車があるんだよねtk_il6.jpg
 常設展示なんだろうけど、あれはなかなかいいね!   オイラは鉄ちゃんではないけれど、機関車ってとても力強くてカッコイイよね。  
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あとになって「エレキテル」を見損ねた事に気づくもあとの祭りね、まあいいや。
しかし江戸時代の人もは凄いバイタリティーだよ、
精神的にもアタマが下がる事が多い。江戸時代の人たちもまさか、平成の時代がこんなに『騒がしい未来』になっているなんて想像も出来なかっただろうけどね。
 
 しかし未来は続く、明日だって未来だもの。
江戸から時代は明治へ  
明治時代こそ尊敬する人たちが塊でいるよ。
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その中の一人 吉田松蔭のことば−「牢屋に入れられたのなら、牢屋でできることをすればいい」
投獄され出れる希望もない松蔭は4年間で1460冊の本を読んだ。

「死のうが死ぬまいが僕は学ぶ」と松蔭 ・・・・
江戸の文化に触れたオイラだけれども、つい明治の松蔭のエピソードを口にだしていたよ。 いいんだ。こうやってつながっていくんだから・・・・
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松蔭はこの後、260年間一人もでたことがない牢獄から奇跡的に出た。
そして 松下村塾(しょうかそんじゅく)を開いた。
 これがどれほどの塾であったかは日本史の先生に聞いてくれ!    

未来は透きとおって見分けのつかない手紙だよね。
  広い空の上で手紙はつづられる。
 石のオイラは空を切り取った。

「ターヘル・アナトミア」へのコメント

16日付けの『Anatomicshe Tabellen』
オイラなんかにははるか遠い世界の話 そりゃ?歴史の時間に『解体新書』という言葉は聞いた。
 ドイツ人の医師ヨハン・アダムス・クルムスが書いた医学解剖書であり オランダ語で図解つきの本。
解剖図を見て価値を知り 
蘭語の一字も知らない人間が本気で日本語訳に取り組んで完成させた(誤訳も多々あると聞くが)
その迫力と後世に与えた良き影響力の大きさ。
師匠の言われるように 医学 聖書の原本の価値があるのだろう。
「仁(じん)とは他を想う心」という事 いい言葉。医は仁術 正にそうであってほしい。
昔の人は 視点が目先にあるのでなく 先の先にあることが ブログの解説から伝わってくる。
半世紀過ごしてきた師の行動力と 好奇心に敬服と感動を得ました。
誰でもが真似の出来る事とは思わないが 目標にしても良いのではないかというのが 心からの感想です。

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カテゴリー:院長ブログ  投稿日:2014年5月16日

         

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