カフカの扉

カフカの扉

 image-1.jpeg世の中の偉人と言われる人は、何かを成し遂げた成功者だね・・・ 
 彼らの言葉はね、力強く、ポジティブなものなんだね! なんたって、夢が叶った人たちなんだもの。
でも、ここに例外的な人物がいるんだ!彼は、あまりにも例外的で、偉人達の中で、完全に浮いている人がいるんだ。
それが、オイラが世界一、尊敬している作家、フランツ・カフカなんだ。 
ちなみに、日本一image-4.jpegは、安部公房ね! 
カフカと言えば、ある朝、目覚めると、虫になっていた男を描いた『変身』とかの作品で有名なチェコの小説家だ。 最初の日本語版が出たのは昭和15年で 「審判」という作品だったんだ。なんと7冊しか売れないという記録。 
面白いのは、そのうち一冊を安部公房が買ってたんだよ。
 安部自身、もっとも影響をimage.jpeg受けた作家にカフカをトップで挙げている。   
それにしても、カフカの人生を二文字で表すと、『絶望』の二文字なんだよ。
本人がそう言っているもの。 
彼は何事にも成功しないんだ。失敗から何も学ばず、常に失敗し続けるんだ。彼は生きている間、作家としては認められず、image-7.jpeg普通のサラリーマンだったんだ。 そして、そのサラリーマンとしての仕事が嫌で嫌で仕方が無かったんだ。これは有名な話だね・・。
でも生活のため、辞められなかったんだ。結婚したいと強く願いながら、生涯独身だった。身体が虚弱で、胃が弱く、不眠症だったんだ。家族とは仲が悪く、特image-19.jpegに父親のせいで、自分が歪んでしまったと感じていたんだよ。

彼の書いた、長編小説は、すべて途中で行き詰まり、未完成だったんだ。死ぬまで、ついに満足できる作品を書くことが出来ず、すべて焼却するようにと言う遺言を残しているんだ。 
そして、彼の日記やノートは、日常の愚痴で満ちているんimage-9.jpegだよ。

それも「世界が・・」「国が・・・」「政治が・・・」と言う大きな話じゃあないんだ。
日常の愚痴ばかりだ。「父が・・」「仕事が・・」「胃が・・」「睡眠が・・」     カフカの関心は自分の事だけなんだ。そして その発言は恐ろしくネガティブなんだよな。  
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オイラは、ポジティブ思考のimage-5.jpeg急先峰なので、到底、ネガティブ思考は受け入れられないはずなんだけど、どういうわけか、カフカのものだけは、入ってくるんだよな!
  『将来に向かって、歩くことは、ぼくにはできません。将来に向かってつまづくこと、
これは出来ます。いちばんうまくできるのは、
倒れたままでいることです。』

  
あんまりネガティブだと、かえって笑えてきちゃうんimage-22.jpegだよね。 
カフカの言葉は、100%絶望的なものばかり・・・  誰よりも落ち込み、誰よりも、弱音をはき、誰よりも前に進もうとしない。  でもオイラは、だからこそ、カフカの言葉に素直に耳を傾けることができるんだ。
 成功者が上からモノを言っているわけではないので、なんだか、近いんだよね。
image-11.jpeg  カフカは、自分の事をチッポケナ虫、と称していたけど、小説家としてのカフカは巨人だ! 20世紀最大の作家と称されることもあるし、オイラもそう確信している。絵画で言うと、ピカソみたいな感じで、その後の作家達に衝撃的な影響を与えている。 ほんとに凄いよ・・・圧image-18.jpeg倒されるもの。
日常生活の愚痴ばっかり言っている人間がなぜ、偉大な作家になることが出来たのだろうか。

苦しみこそカフカの力の源に成っていたんだ。安らかな心でいた時期、彼はなにも書けなかった。苦しく、不眠が襲ってきて、不安な気分で、目の前が真っ暗に成ると、その苦しみから、自分を救うため、ボツボツ書き始めたんだ。
image-21.jpeg 今、混沌とした世の中・・ 「ポジティブに行こう!」と言う、メッセージが、世の中に氾濫している・・・
歌も、小説も、映画も、スポーツの選手のメッセージも。実際オイラも、そっちを支持するんだけどさ・・!   

しかし人を前に進めるにはポジティブな力だけだとは限らない。 ネガティブさからもまた、驚くべき力を引き出せる。  
そうカフカは教えてくれているようだ・・・
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生きることが苦しくて仕方が無いとき、
気持ちが落ち込んで仕方が無いとき。
ポジティブなんてとても成れないとき、
死にたいと思ったとき、
  
最後の砦、カフカがを、開いている・・・・

「カフカの扉」へのコメント

師匠の難しいほんとに難しい内容のブログ。フランツ・カフカなる人物全く知らなかった。早速調べたら、暗い人生を送ったユダヤ人という事、父親とうまく過ごせなかった人物 書く事だけは止めなかった人物像が浮かんできて オイラの印象に残った。 亡くなってから評価された作家であり 大學では哲学も学んでいるそんなところからネガティブさからもまた、驚くべき力を引き出せる事を発信できたのかな?
人を前に進めるには、前向きな姿勢だけしかないのではなくネガティブな力からも人に勇気を与える力があること そんな事を教えられた ブログ。幅広い知識は人生を楽しくする事に気付かせていただきました。
今回のブログいつもの師匠の路線から外れているように思えコメントギブアップかと考えてしまったオイラ。立ち直ったぜ!!

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カテゴリー:院長ブログ  投稿日:2012年11月3日

         

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