ダニの世界

ダニの世界

200px-Adult_deer_tick.jpgマダニというダニの一種がいるんだけどね、
今回の主役は、このマダニ君なんだよ!
何だよー、ダニかよ〜なんて思うのは,早とちりだよ! この話は,昨日、
オイラが定期的に通ってるT大哲学科のF先生に、
ハイデガーが影響を受けた話として、紹介してくれたものなんだ・・
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マダニ君はね、目が見ない・耳も聞こえないんだ。
その代わり、においの感覚、触覚、温度感覚が、
抜群にすぐれている小さな虫だ。
この友だちになりたくないような、薄気味悪い生き物は森や茂みで血を吸う相手が通りかimage-11.jpegかるのをジーット待ち構える。
どうやって、目指す、相手がやってきたことを、察知するかというとね、だって、目も,耳も無いからねー
・・・・哺乳動物が発する酪酸の匂いを感知するらしいんだよ!  これを「酪酸蒸気」と言う。
そしてメチャクチャ鋭い、温度感覚によってimage-15.jpeg狙った、動物の体温を
感じ取り、温度の方向に身を投じる。 
そう!スカイダイビングだよ! 命がけのね・・・ 
それでね、うまく
相手のカラダに着地できたら、こんどは、手探りで毛のimage-16.jpeg最も少ない皮膚を[宝探し]の様に、探り当て、「生き血」という、この上のない、
ごちそうにありつくッテわけなんだ!

このダニ君にとっての世界は見えるものでも聞こえるもので
もなく、温度と匂いと触った感じでできているわけなんだ。  問題なのは、いわゆる、血を提供する動物は、ダニ君の下をそう頻繁に都合良く通りがかるわけではないだね。 ここが ダニ君の辛抱強いimage-9.jpegところなんだ。 
ダニ君は長期にわたっ
て絶食したままエサを待ち続ける必要があるんだよ。
なんと、記録によると、あるダニ君は、18年間絶食しながら生きていた記述されている。 驚くよね・・! 凄い忍耐。面白いよね・・
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 オイラも、最初、なんで、哲学の授業で
 ”ダニ”なんだよ〜って思ったけど、スッカリ聞き入っちゃったよ!
これはドイツの生物学者のユクスキュルという人が一生を費やして
追いかけた世界なんだ!
「すべての生物はそれぞれに種特有の”感じる世界”をもって生きており、その主役として行動している」という考えなんだ。
ユクスキュルによれば、与えられた時間や51gIWgJMVAL._SL500_AA300_.jpg空間も、各生物にとってはそれぞれ独自の時間・空間として感じている。
生物の行動は各生物で異なる感じ方と作用の結果。
そしてそれぞれに、その生物に特有の意味をもってなされる。 
オイラから見れば無意味なことでも、
image-12.jpegダニ君によっては、命の綱になる。
オイラに「どーこー」言われる筋合いはないんだ! ダニ君の関心事は、
狙った動物へのスカイダイビング、
この一点だけだ!
ユクスキュルは、ダニ君と獲物?の哺乳動物との意味を持った相互関41CW0R24V2L._SS500_.jpg係を自然の「生命計画」と名づけた。そしてダニ君のように、生物個々の特有な世界を『環境世界』と名づけたんだ。

『環境世界』はハイデガーの著書の中に引用され、何度も登場する。この『環境世界』は人間にも個々に存在する。 オイラの『環境世界』を他の人が、模倣するのは、無意味であり、まして、押しつけたりするのは、愚かなことだ!  でも、人間はそんなことばかりやってきた。だから排除の論理が生まれる。イジメも生まれる。障害を持った子なら、生まない方が良かったなんて死の言葉が出てくる。
image-18.jpeg ハイデガーは、人類の至宝と呼ばれている名著「存在と時間」に、
「他の者の『環境世界』を理解し,認識しない者は自分自身の存在も、時間も、消え失せる」image-13.jpegと記している。
 ダニ君の世界だって、知っておかなくてはいけないんだ。 
 人間が一番えらいって・・ ?  
誰がそう決めたんだ 神様?・・ 本当???
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 人類は、科学も発達させ、生活もドンドン楽になっていく、 スマートフォンなど喋れば音で,認識してくれる。 楽な方へ楽な方へ・・・ いつの間にか 人類は
『欲望という名の電車』の乗客になってしまったようだ。 
 自分の欲望達成に見合わない『環境世界』の住人は電車から振り落とす・・・
 その電車の行く先に 本当に未来、希望があるのだろうか・・
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こうやってブログを綴って居る間も,何処かimage-10.jpegの森で、同じ地球上の仲間である
ダニ君が、スカイダイビングの準備をしている。
そんな、そんなところにも、
気持ちがいく人間に,
オイラは、なりたい。

「ダニの世界」へのコメント

ダニの世界というタイトルに 今日の師匠は何を言いたいのかと興味が湧いた 哲学者ハイデガーが「他の者の『環境世界』を理解し,認識しない者は自分自身の存在も、時間も、消え失せる」と名著「存在と時間」に書いてあるらしいが 全くそうだ。自分と同じ『環境社会』に存在し無い者を見捨てていく現代社会 何故そんな社会があなたにとって居心地いいのだろうか? オイラは師匠のブログの最後につぶやかれている 『そんな、そんなところにも、気持ちがいく人間に,オイラは、なりたい。』に同感。
 余裕というか 気持ちのゆとりをこの言葉から感じる。 皆が幸せを感じる未来を皆で探して 競争はするが 一緒に見つけてみたい気持ちがオイラの心には あふれている。しかし HOW TOは 結論は 左の道か右の道か まっすぐ前の道か わからない。だから 毎日努力していると思って生きている。答えは何時出るかなんて期待しないでやっているよ!

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カテゴリー:院長ブログ  投稿日:2012年9月1日

         

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