ある画家のはなし

ある画家のはなし

NO.2.jpg今週,月曜日の産経新聞のコラムに、「ある画家のはなし」が載っていて、オイラの興味をそそったんだ。 

好きな話だ・・・・
「奇跡の画家」と呼ばれる神戸市に住む石井一男、現在67歳。

ギャラリー島田のオーナー島田誠のところに、電話がかかってきた。
  (島田さんの言葉の抜粋)
受話器のむこうで、内気な声が必死に訴えるようにしゃべっている。「突然、電話をしてすいません。おたくのギャラリーは、時々拝見させていただいてますけど、先日「ギャラリーインフォメーション」を読ませて頂いて、信濃デッサン館への旅に感激しました。こんな文を書く方なら、私のことをわかってくれるのかと思いまして・・・・」時々胸の病気を想像させるような咳をまじえながら、彼は延々と喋り続けた。「石井一男、49歳。独身。年老いた母親しか身寄りがなくて、内気な性格で、友人も

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いない。夕刊を駅へ届けるアルバイトを続けながらただひたすら絵を描いている。でも体調も悪いし、あまり先がない予感もする。絵を見ていただくだけでよいから」

こうした仕事を続けていると、作品を見せてほしいという話は、しょっちゅうある。それにしても、誰にも習ったこともなく、発表したこともない、ど素人さんでは仕方ないではないか。せめて元気づけてあげるくらいしか、ぼくにできる役はない。そして、その話は忘れてしまった。
数日して、画廊に、白いシャツに紺のズボンをはいたこざっぱりした格好で、キャリーに絵をくくり付けた、顔色の悪い男が現れて「石井です。」と名を告げた。緊張して硬くなり、余計に変に咳き込む彼を促して、ケース一杯に詰められた100点近いグワッシュ(水

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彩絵の具の一種)を、時間がかかるな、と溜め息をつきながら手に取る。2枚3枚、と繰って行くうちに、今度はこちらが息を呑む番だった。これは素人の手遊びとはとても言えない。どれも3号くらいの婦人の顔を描いた小品だけど、孤独な魂が白い紙を丹念に塗り込めて行った息使いまで聞こえてきそうだ。どの作品もが、巧拙を超越したところでの純なもの、聖なるものに到達している。思わず「なかなかいいですね。」とつぶやいてしまう。本当は「すごいですね」と言ってあげたかったのだけど、何しろ世間から隔絶されていきているようにしか見えない石井さんに、急激なショックを与えてはいけない。
 
             素敵な エピソードだね・・・・・・

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 ギャラリー島田で、個展を開いたところ 全作品があっという間に売れてしまったんだって!!
 女神像のシリーズは、今も問い合わせが 後を絶たないほどの、人気らしい。
石井さんの作品を買っていく人は、通常の買い手とは、かなり違っているとのこと。
 アート作品の購入は、好きだからという理由に加え、将来の値上がりを見越してなされる。

しかし、石井さんの作品を求める人の殆どが、「自分を守ってくれるようで・・」
「心に清流を流したい・・」と、自分自身の為に買っていく。
  また、「小児がんの娘の病床に掲げたい」といって買っていく。
  
 

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 本来、芸術ってこういうものなもではないのかな・・って心が痛くなるよ。
 売れっ子になったいまも、まったく生活自体は変わっていない。 棟割長屋の2階に、一人で住み、何の野心もなく ひたすらに ただひたすらに 描き続けて居る。

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     『凄いな・・』ッテ思ったよ オイラさ・・ 
   

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 どこでも、生きていける、
どんな状況でも自分の信念に従って 
自然体で生きている。 
 
 島田さんも、いい目もっているよな・・
    目利きとは、このことだよね・・素敵な目なんだろうな

停電や、放射能で一喜一憂しているオイラ自身が 
    恥ずかしくなっちゃったよ!
  
  オイラも 好きな画風だ・・・・・
      
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「ある画家のはなし」へのコメント

師匠 今回のブログは、今では有名な石井一男画家の話。心を打つ絵を描き続けている人。人に見せるためではないのでどの絵にもサインが無かったらしい。49歳のときのギャラリー島田のオーナーとの出会いが石井画伯の絵を世間に知れ渡ったらせたきっかけ。これも不思議な縁。目利きに出会った不思議さ。今も画伯の生活が変わらないのは、純粋で邪心が無く他の世界に興味が無いのかも。こんな人が、今の日本にもいるという事実がオイラの心を清清しくしてくれる。その上画伯の絵を求めていく人たちも投機目的の人ではなく『絵がそばにあることにより心の平安』を感じるから買うのだそうですね。素晴らしいことではない。一喜一憂の生活もメリハリが有って面白いけれど、どっしり構えた態度も尊敬に値するね。ガンバローよ、シ ショ ウ!

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カテゴリー:院長ブログ  投稿日:2011年5月18日

         

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